前回は、長男が2歳10ヶ月の頃に『発達相談』へ行った時のことについて書きました。
https://www.myradiantdays.com/entry/hattatsu-sodan
この『発達相談』を受けた後、翌月の9月から、児童発達支援センターで行われる『親子教室』へ週1回通って、様子をみることになりました。
今回は、その『親子教室』ではどんなことをしたのか。というのを書きたいと思います。
児童発達支援施設には2種類ある
『児童発達支援施設』は、障害や、発達に遅れのある子どもたちが、支援を受けながら、就園・就学に向け、日常生活の自立支援・トレーニングを行える場所です。
この『児童発達支援施設』には、2種類あり、
- 自治体が運営する『児童発達支援センター』
- 民間企業・団体の運営する『児童発達支援事業所』
になります。
このうち、長男が通っていたのは、自治体が運営する『児童発達支援センター』の親子教室です。
費用は?
週1回の教室でしたが、費用は無料でした。
また、同じクラスには、児童発達支援センターの親子教室に通いながら、児童発達支援事業所の療育プログラムにも通っていた方もいますが、平日毎日のように通っても、負担金の上限が決まっているので、5000円弱で済む。と話していました。
ただ、民間の児童発達支援事業所は、いきなり利用できるものではなく、自治体への申請が必要なので、どちらにしろ、まずは自治体の児童発達支援課への相談が必要になります。
料金のことも、こちらのLITALICO(りたりこ)発達ナビの記事に書かれています。
親子教室へ通う時に持って行ったもの
親子教室に行く時は、毎回下記のものを持って行っていました。
- ループ付きハンドタオル
- 飲み物(お茶を水筒に入れて)
- 着替え(おむつなど)
- コップ&コップ袋
- リュックサック
上記のうち
- ループ付きタオル
- コップ&コップ袋
- リュックサック
の4つは、持っていなかったので購入しました。
リュックは幼稚園へ行っても、遠足などで使う機会があるかと思い、少し2歳児には大きめですが、こちらのサイズを購入しました。
他のものは100均です。
親子教室の内容・スケジュール
うちは、“ひよこCグループ”というグループに割り当てられ、スケジュール表により火曜か水曜で月4回ほどでした。
4組からスタートして、最終的に9組ぐらいいたかな?と思います。
うちの長男ともう一人が同じ学年で、その他の6~7人はひとつ学年下の子たちでした。
うちは、1歳半健診の時は『指さし』などはイマイチだったものの、言葉が全く出ていないわけではなかったので、特に問題ナシでした。
その後、言葉(会話)が遅いということや、ひたすらおもちゃを並べて遊んでいたり、逆さバイバイなどの特徴が出ていたので相談へいったかんじだったので、親子教室へ参加するのが遅めでしたが、いろいろな子がいました。
- 落ち着いて見えるけど、言葉があまり出ていない子
- 言葉は達者だけど、じっとしていられない子
- ママにずっとくっついて泣いていて離れない子
などなど・・・
でも、パッと見、よく自閉症の特徴として挙げられる“明らかに目の合わない子”というのはいなくて、「この子も発達心配なの?」というような子も多かったです。
この教室は、もちろん強制参加ではないので、用事があって来られない週もあったり、都合がつかず、数回しか参加されていない親子もいたので、毎回全員が揃うわけではなく、ゆるい感じの集まりでした。
この親子教室のスタッフは
- 臨床心理士
- 保育士
- ケースワーカー
- 保健師
- 言語聴覚士
- 理学療法士
の方々で構成されていました。
普段は、保育士4名ほどで教室を進めていきます。
そして、毎回ではないけど、月に数回は臨床心理士や言語聴覚士の方が来られて、子どもたちの様子を見たり、保護者と話をしたり、相談に乗ってくれたりということがありました。
親子教室のスケジュール
~9:30 集合
あいさつ・出席カードにスタンプを押す・名札渡し・手洗いうがい・荷物の整理
などをして、教室内で遊びながら開始まで待ちます。
体操
「ちびっこマン体操」という曲に合わせて、体操したり、軽く教室内を小走りしたりします。
リズム遊び
「一本橋こちょこちょ」などの曲に合わせて、親子で触れ合うようなリズム遊びを2曲ほどします。
始まりの会
一人ひとつマークが割り当てられていて(うちは鳥だった)そのマークのついた椅子を自分で運んできて、並べて座ります。
そして名前呼び、始まりの会の歌、手遊び歌を歌います。
シーツブランコ
大きな布に子どもが寝転んで、両端を大人が持って上下したり揺らしたりする「シーツブランコ」を曲に合わせて、順番にやっていきます。
テーマ遊び
その回によって違う「テーマ遊び」ですが、こんな遊びをしました。
- 新聞紙をちぎったり、袋にまとめて投げたりして遊ぶ
- 風船を膨らませたり、離して飛ばして遊ぶ
- 大きな布をみんなで持って回ったり、中に入ったりするバルーン遊び
- 段ボール箱で作られた電車に順番に乗って遊ぶ
- トランポリン、滑り台、トンネルくぐりなどを使ったサーキット遊び
休憩
持ってきたお茶を飲んで、ちょっと休憩
おもちゃ遊び
主にボール遊びでした。
穴の空いた大きな段ボール箱にボールを入れたり、転がしたり、段ボール箱の中に子ども自身が入ったりして自由に遊びます。
回によっては、絵本や車のおもちゃなども出てきました。
保護者交流会
5~10分子どもたちと一緒におもちゃ遊びをしたら、後半の10分ほどは保護者だけ教室の後ろに集まって、保育士さんや臨床心理士さんとお話しをしました。
その間は、保育士さんが子どもたちと遊んでいてくれます。
最近の子どもの様子について一人ひとこと言っていったり、困っていることや疑問に対して心理士さんに質問したり、隔月で出されるおたよりを見ながら、連絡事項や、ちょっとした『療育』についてのお話をされたりしました。
何度か言語聴覚士さんが来て、お話をされた回もありました。
終わりの会
手遊び歌、ペープサート・紙芝居・絵本、終わりの歌
11:00 お帰り
これが、大体の流れになります。
ひとつひとつの内容は5分程度なので、9時半の開始から11時頃には終了だったので、全部で1時間半ほどになります。
親子教室に通うようになって出来るようになったこと
『療育』を目的とした親子教室なので、少し言葉や理解が遅い子にも分かりやすいような内容になっています。
まず、その日のスケジュールが教室の黒板に、大きな文字と絵付きで貼りだされています。
そして、次の遊びに移るたびに、保育士さんがその遊びの絵が書かれたカードを持って、「次は、○○であそびます」と、ひとりひとりの顔を見ながら説明します。
言葉の発達が遅い子は、言葉だけでの理解が弱いので、絵カードを見せることで、視覚からも理解できるようにしているのです。
あとは、自分のものや場所をマークで認識したり。
- 自分の名前を呼ばれたら、手を挙げて返事する
- 自分のマークの椅子を運ぶ・片づける
- おもちゃを出す・片付ける
- 椅子に座っていられる
- 順番を待つ
- 周りの様子を見ながらリズム遊び・手遊び・テーマ遊びをする
こういったことを出来るようにするのが、この親子教室の目的なのかな?と思いました。
定型発達な子であれば、「空気を読む」ということがある程度出来る子だったりします。
ところが発達障害グレーゾーン児は、自分の世界を生きているような子たちばかりなので・・・(笑)
9月の初回に参加した時は、まず、ほとんどの子が椅子にじっと座っていることが出来ず、逃走したり、癇癪を起したり、泣いていたりして、なかなかカオスでした(笑)
しかし、回を重ねるごとに、そんな子たちも少しずつ出来るようになっていって、スムーズに教室が進むようになりました。
毎回決まった流れ・ルーティーンって、発達障害・グレーゾーンの子にとっては重要なんですよね。
とっさに「空気を読む」ということは難しいけど、場面をある程度パターン化して、ストックを増やしていってあげると、安心してその場に参加できるのかもしれません。
うちの長男も初回は、泣いていたり、椅子に座れずずっと私の膝の上で参加だったり、手遊びやリズム遊びも全く出来ずでしたが、だんだん慣れていき、最終的には、上記のことが大体出来るようになりました。
親子教室へ通う前も、子育てイベントや保育園・幼稚園の遊ぼう会といったものに結構積極的に参加していたのですが、1歳半過ぎから、自分の動きを遮られるようなことを嫌がったり、同じぐらいの歳の子が集まって、みんなで同じような事をやる。というのが嫌いで、ぐずぐずして上手く参加できなかったので・・・
『療育』を目的とした、親子教室の効果はすごいな。と思いました。
親の私も心がラクになった
今まで他の子連れイベントに参加したりもしていましたが、定型発達の子がほとんどなので、なんとなく参加出来ている子がほとんどです。
うちの子だけは、いつもぐずぐず泣いて「おうちかえる!」ばかり。
毎回、そんな状態だったので、「どうせ、連れて行っても、またおうちかえるって言うんだろうな。」とだんだんそういったイベントへ出かけることが億劫になっていきました。
イベントを楽しんでいる親子を横目に、なんだか悲しい気持ちになったし、“劣等感”も感じたし・・・
しかし、この親子教室では、そういったイベントに“参加出来ない子”たちばかり。
そんな、“出来ない子”の集まりに、妙にほっとした記憶があります。
定型発達の子の中にいると、グレーゾーン児は“出来ない子”という劣等感を感じてしまうのですが、“出来ない子”の集まりなら、なんだか
と、仲間意識を持てて、安心出来たんですよね。
赤ちゃんの頃は、大して大きな成長の差はなかったりしますが、2歳頃から
- 会話っぽい言葉が出てくるようになった
- スプーンフォークが使えるようになった
- 自分で着替えしたがるようになった
- トイレで用を足すことができた
などなど・・・
定型発達の子は、いろいろな『できた』が出てきて、発達に個人差が出てくる頃なので、定型発達の子のママさんと話していても「○○ちゃん・○○くん、もうそんなこと出来るんだー」と、焦りを感じるばかり。。。
それが、発達遅めの子を持つママと話していると「○○したら出来るようになったよ!」とか「うちも出来ないよー。なんかさ、こだわりがあるんだよね(笑)」といったように、共感し合えて、もし解決策があれば教えてもらえる。という“対等な関係”に感じました。
子どもたちがあっちこっち動いたり、癇癪を起したりしていて、カオス状態になっていても(笑)、自分の子一人だけではないので、それでプログラムが進まなくても「お互い様」になれるんですよね。
また、教室には、保育士さんをはじめ、臨床心理士、言語聴覚士、理学療法士、ケースワーカーの方々がいるので、何かあった時に、発達が遅い子用の知識でアドバイスがもらえる。ということも心強かったです。
その頃は、保育園にも通っていなかったし、1歳半過ぎから、支援センターや子連れイベントにもどんどん足が遠のいて、家にいるか、少し広めの公園をひたすら散歩するだけの毎日だったので、週1回でも毎回顔ぶれの決まっている親子教室に通えたことは、『心のよりどころ』のようなものになっていました。
当時、長男2~3歳、次男1歳、三男妊娠中という状況でしたが、この親子教室の日だけは、次男は私の父か義父と留守番してもらって、長男と二人きりで出かけられる貴重な時間だったので、長男も嬉しそうにしていました。
私の勇気がなく、親子教室のママさんたちと連絡先交換をすることが出来なかったのですが、「ママ友になりたいなぁー」と思えるママたちばかりでした!
自治体の親子教室なので、お引越しなどをされていない限り同市内に住んでいるので、その教室卒業以来、「次、街中でバッタリ会ったら聞こう!」と思っているのですが、そういう時に限ってなかなか会えないんですよね(笑)
幼稚園入園前に通うのがおすすめ!
うちの長男は、2歳半頃に一番初めの連絡をして、2歳10ヶ月頃から親子教室に通い始めました。
長男は10月生まれなので、親子教室に2ヶ月通ったら、次年度の幼稚園願書申し込みでした。
幼稚園の願書申し込みの少し前に、臨床心理士さんとの面談で『新版K式発達検査』という検査をしてもらいました。
その時に、「身体的な発達は年齢相応かちょっと遅いぐらいだけど、言葉の発達が1歳半程度」と言われてしまいました・・・
その時に、幼稚園入園についても相談したのですが、
[chat face="woman2" name="臨床心理士さん" align="left" border="red" bg="red"]
幼稚園は1クラスに先生が1人か2人程度になります。ここの教室のように大人の人数が少ないので、
①椅子にじっと座ていることができるか
②先生が全体に発した指示が理解できるか
➂自分の要求(例えば、トイレ行きたい・のどかわいたなど)を先生に伝えられるか
というのが、重要になります。
長男くんの場合、①は出来るけど、②と➂がまだ弱いので、現時点では判断が難しいけど、4月まであと半年あるので、それまでに成長する伸びしろを信じるかどうか・・・私が判断することは出来ないのでよく考えて決められて下さい。
必要なら、『児童発達支援センター』の本園もご紹介出来ますよ。
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というようなことを言われました。
私の仕事復帰、下2人の保育園入園のこともあったので、現在通わせているこども園一本で考えていて、他の幼稚園は見学にもプレにも参加していなかったので、一気に不安になりました。。。
ただ、少し考えてみて、
ということで、そのまま希望していたこども園に願書を提出しました。
ただ、いきなり願書提出は不安だったので、提出日の2週間ほど前に個別で、こども園に相談しに行きました。
この時に、臨床心理士さんに書いてもらったお手紙(長男の特性や教室での様子について書かれているもの)を持参することが出来たので、園長先生にもスムーズにお話出来ました。
また、いきなり幼稚園入園していたら、じっと椅子に座っている。ということも難しかったと思います。
あとは、同じぐらいの歳の子が集まる場所も嫌がって、幼稚園に慣れるのに時間が掛ったかもしれません。
もし、未就園児で『育てにくさ』を感じられている場合は、こういった面からも、幼稚園入園前に、一度、発達相談・療育を受けてみられることをおすすめします。
早めに動くことによって、親も子どもも対処法を知ることが出来るというのは、その後の幼稚園生活にとって、とても大きな成長につながると思います。
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また、同じ教室に通っていた1学年下のYくんは、言葉はすごく達者で、他害もないのですが、多動と癇癪がすごい子でした。
「外出するのも大変なので、来年、幼稚園のプレなんて通わせられない・・・」
とお母さんが困っていたところ、民間の児童発達支援事業所(児童デイサービス)の存在を知り、親子教室の年度途中から、掛け持ちで通われていました。
児童デイの方は母子分離なので、お母さんも「大変な子だったけど、やっと、少し離れられる時間が出来た」とほっとされていました。
確かに、横で見ていて、
というかんじだったので、良い支援が受けられてよかったな。と思いました。
幼稚園入園前の時期に、早期に、適切な療育を受けることが出来れば、事前に園と相談して加配の先生を付けることも出来たり、加配を付けなくてもスムーズに園生活を送れるぐらいに成長する場合もあるので、早期療育の大切さを感じました。
まとめ
以上、児童発達支援・療育の『親子教室』についてでした。
定型発達の子でも、2~3歳の頃はイヤイヤ期で大変な時期。
グレーゾーン児・発達障害児になると、その大変さが数倍大変に感じます。
育児書はほとんど参考になりません。
少し変わった特性を持った子を育てていくのに、何かあったらいつでも相談できる方々がいる。というのはとても心強いものでした。
前回の『心理相談』の記事でもお伝えしましたが、相談・療育に行ったからといって、『即診断』『発達障害というレッテルを貼る』ということにはならないので、もし、子どもの育てにくさを感じているなら、早めに行動されるとラクになると思いますよ。
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最近は、大人の発達障害に対しての『就労支援』をする企業も出てきています。
とにかく、発達障害は、その特性を知って、上手な対処法が見つかれば、“生きづらさ”が少しラクになるものです。
まずは、その子の特性を知って、どんな対処法があるのかを知るのが大事!